不動産決済前に目を通しておくべきトラブル事例【売主さん編】は今回で最後です。
決済には売主さんが普通に出席すればそれでいいのですが、ご本人にトラブルが生じることがあります。
1.決済日を間違えて遠方に出張している。
すぐに決済場所に来れないようであれば、決済日を延期して仕切りなおしです。
「後日必ず書類を事務所に持って行くから今日決済してくれ。私を信じられないのか!」
と売主さんに電話ですごまれたこともありますが、丁重にお断りしておきました。
2.認知症を発症
勤務時代の同僚が担当していた案件で起こったトラブルです。
決済日の朝、不動産業者さんが売主さんのお宅に迎えに行きました。
売主さん「おまえば誰だ!」
不動産業者さん「いやだな~。不動産の売却を担当している○○ですよ。」
売主さん「お前のことなど知らん。家は絶対に売らん!帰れ!」
と言われ、お医者さんの診断を受けてもらうと認知症だったそうです。
ご本人の判断能力が衰えている場合は、家庭裁判所に後見人選任の申し立て等を行い、物件によっては居住用不動産売却の許可を取ってからの決済になるので、決済日はだいぶ先になります。
3.お亡くなりになった
これも勤務時代の同僚が担当していた案件で起こったトラブルです。
売主さんが決済当日は出席できないため、事前に司法書士が本人確認の面談を済ませました。 面談の最後に売主さんが
「予定通り決済できるといいね。」
とつぶやいたのが気になったそうです。
決済当日の朝、不動産業者さんからあわてて事務所に連絡があり、売主さんが物件内で自殺されたとのこと。当然決済は流れました。
売主さんに生じるトラブル事例についていろいろと書いてきましたが、ほとんどの決済はスムーズに終わりますのでご心配なく。