私は現在、大阪で司法書士という仕事をしています。

会社員から司法書士になるまでをお話させていただきます。

 

就職活動

私が就職活動をしたのは、バブル崩壊後の就職氷河期と言われる時代でした。

自分がイメージする仕事は形あるものを作ることだったので、メーカーを中心に就職試験を受けました。

内定をもらうのは周りの友人よりは遅くなりましたが、誰もが知っている自動車メーカーと京都では有名な半導体メーカーに内定をもらいました。

面接で会社を訪問した際に美人が多かったという若者らしい理由で京都の半導体メーカーに入社します。

会社員時代

配属

私は「購買部」という部署に配属されました。

配属発表を聞いた後、「自分の入社試験の成績が悪いから、パンを売る仕事に回されたんだ。自分の社会人生活は真っ暗だ。」とショックを受けたことを今でも覚えています。

実際には購買部は学校のようにパンや文房具を売る部署ではありませんでした。

資材調達をする部署でした。

そういえば、面接でどこの部署を希望するかという話になって「資材調達」と答えたのを思い出しました。

(後で上司に聞いたことですが、入社試験の筆記試験は文系トップだったらしいです。大学時代はディベートをやっていたことから、常に交渉が必要な「購買部」に配属されたのでしょう。自分の希望が通っていたんですね。しっかり会社案内読んでおけよ、と昔の自分に言いたいです。)

仕事内容

LEDや液晶の材料調達を担当し、日々、納期交渉、価格交渉にあたっていました。

仕事の中で一番きつかったのが、納期トラブルです。
製造部が希望する納期通りに材料が入らないと、工場のラインが止まってしまい、エンドユーザー(大手家電メーカー)の納期に遅れてしまいます。

納期トラブルは担当バイヤーにとって大問題です。

「私が土下座して靴を舐めたら納期を早めてくれるのであれば、いくらでも舐めるよ」

本当にそう思いながら仕事をしていました。

きついこともありましたが、先輩より早く海外出張に行かせてもらえたり、取引先から接待を受けたり、会社の宴会では女装して盛り上げたりと色んな経験をさせてもらえたのは私の財産になりました。

図書館司書と司法書士

以前、私は司法書士とは図書館のお姉さん(図書館司書)のことだと思っていました。

入社して3年目の秋、当時の彼女が資格の本を手につぶやきました。

「司法書士の勉強でもしてみようかな」

「図書館のお姉さんになるの?がんばりや~」と私。

「一般常識がない!」

と彼女に小一時間説教されたことがきっかけで、私は司法書士という資格について調べ始めます。

「なんやねん、この知名度のない資格は!

法律家は弁護士、カバチタレは行政書士。司法書士なんて知らんわ。」

と憤りながら・・・。

調べてみると、登記の専門家で裁判書類も作成する街の法律家とだとか。

さっそく、LECという資格専門学校の無料説明会に行ってみたのでした。

専門学校の無料説明会で

「こんな仕事が世の中に存在したのか!」

と興奮した私は、ほどなく講座の申込みをしてしまいます。
年に1回しか試験がなく、合格率が2.8%の難関であることなど知らずに・・・

専門学校と会社の二足のわらじ

資格専門学校LEC東京リーガルマインドに通い始めました。

会社勤めをしながらLEC東京リーガルマインド に通うのは大変でした。

まず、夕方の講義に間に合うよう仕事を終わらせるのが大変です。

間に合っても睡魔との闘いです。

ガムをかみます。

くちゃくちゃ音がするだけです。

ボールペンをふとももに突き刺します。

「痛い・・・。痛いけど眠い・・・。」

いつも闘いに負けてばかりでした。

そんなこんなしてるうちに転機が訪れます。

できるだけ効率よく仕事をこなし、講義のある日は定時に退社して、専門学校に駆けつけていました。

上司が会社に残っている間は先に帰れないという雰囲気(会社員の方はわかると思います)の中、私は定時ダッシュしていたのです。

すると、定時退社するのが目立ってしまい、当時の担当していた購買額の4倍の材料を担当するよう命じられます。

「仕事の報酬は仕事」というやつです。

購買額が増えるのは出世するにはいいことです。

購買額が増えれば、それに比例してコストダウン金額も増え、自分の成績も上がります。

しかし、司法書士受験生との二足のわらじを履く私には自分には本当にきつかったです。

扱う材料が変われば、またその材料について一から勉強し直しです。

文系の自分には半導体の材料なんてチンプンカンプンです。

毎日残業で講義にはさっぱり出れなくなっていました。

このままでは一生かかっても合格はできない。

10年後自分はどうなっていたい?会社で出世していたいのか、司法書士として依頼者さまのお役に立っていたいのか。

依頼者の安心する顔や喜ぶ顔を見ながら仕事をしたい!

そう思った私は4年間勤めた当時、超優良企業だと言われていた会社を退職します。

退職後

その後、無職、職業訓練校生、アルバイトを経て、司法書士事務所に補助者として勤務しながら勉強を続けました。

勉強のやり過ぎで手首が腱鞘炎になり、病院で痛み止めの注射を打ってもらいながら勉強したこともありました。

合格点に1点足らずで落ちた年もあれば、総合では合格点を超えていながら書式(登記申請書を作成する問題)で0.5点足らずに落ちた年もあります。

毎年不合格になった後は涙を流しながら机に向かいました。

合格

5回目の試験の合格発表日、法務局の掲示板で自分の受験番号を確認して妻に電話で報告すると妻も泣いていました。

そう、「司法書士は図書館のお姉さんではない」と私に説教した彼女は私の妻になっていたのです。

その後、いくつかの事務所で修行したのち、大阪市北区で開業して現在に至ります。

「司法書士は図書館のお姉さんではない」と知ったことで、こんなにも人生が変わるとは思いもしませんでした。

今は、依頼者さまのお役に立てるこの仕事に誇りを持って、毎日司法書士をやっています。

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専門学校について

私は、LECを利用していました。

LECで基礎コースが一緒だった勉強仲間は、多くが合格し、今は司法書士としてがんばっています。